アニメ映画評「すみっコぐらし」
お疲れ様です。春風亭吉好です。
今回はアニメ映画評「すみっコぐらし」です。
すみっコぐらしはたれぱんだやリラックマなどのサンエックスによるキャラクターシリーズ。
ぶっちゃけこの劇場版は全くのノーマークでした。
ところが公開されるやいなやネット上で絶賛の嵐。
「大人が観ても泣ける」「今年最高の傑作」などなど。
児童向けアニメでこのような評価は「若おかみは小学生!」を思い出させます。
若おかみの時もネットの噂が気になり観に行ったら想像以上の感動作でした。
これは観に行かないわけにはいかない!と思いすぐに観に行ってきました。
感想
最後に号泣!
ネットの噂を信じて良かった!!
お話としてはすみっコ達がある日不思議な絵本の中に入ってしまい昔話の登場人物をなりきる事になる。
そんな中でどこのだれかわからないひよこと出会いひよこのおうちを探すため絵本の世界を巡っていく、、
という大変シンプルなもの。
その世界一つ一つを丁寧に描き、すみっコ達の可愛らしさやちょっぴりおマヌケな所を優しい声のナレーションで語っていきます。
(ちなみにナレーションはV 6の井ノ原くんと本上まなみさん!)
上映時には子供連れの他に大人だけの観客も多く、その優しい世界に子供達だけでなく大人も引き込まれ子供はゲラゲラ笑い、大人である自分も微笑ましく観ていました。中盤までは。
その一つ一つの丁寧な積み重ねが結集するクライマックスのシーンでは場内全体から涙を啜る音が。
決して気をてらった展開ではなく、ベタといえばベタな展開なんですが丁寧な積み重ねですみっコ達に感情移入していた為に涙を流さざるをえませんでしたね。
「若おかみは小学生!」のように開始5分で泣かされ、その後も何度も泣きの場面があるようなものではなく、最後の最後の場面だったんですがそれだけに心にくるものがありました。
すみっコ達の声はなくナレーションのみの進行だったんですがその分動きで見せていてそれがより「生きている」感覚になったのかもしれません。
すみっこにいたがるすみっコ達がとった大きな能動的な行動。
ネットの感想で「Fate」とか「攻殻機動隊」とかいった感想がありましたが僕はそうは思いませんでした。(多分大人が感動できるという所を言いたかったんですかね。)
あくまで子供向けに丁寧に作られ、生きたキャラクター達の懸命な動きがあったからこそ大人の胸にも響いたのかと。
子供も決してバカではありません。子供だましに適当な作品を作ればすぐに見抜かれてしまう。
子供に訴えかける冒険、友情、愛、出会い、別れを大人が作ればそれは漏れなく大人にも伝わる。
児童向けアニメだから子供しか楽しめない事はない。
「若おかみは小学生!」も傑作だったし、今年のプリキュア映画も素晴らしかった。
クレヨンしんちゃんは言わずもがな。アンパンマンの映画だって大人も楽しめます。
子供の為に丁寧に作られたからこそ大人が、もちろん子供も感動する。
一番基本的な事を教えてくれました。
小難しい設定や殺伐とした世界なんてない。
多くの親子に観てもらいたい。そんな映画です。
春風亭吉好